どっちを向いても花粉症


2000年3月8日    

 2000年の年明けと共に 「今年の杉の花粉の飛散率は例年の3倍」 と、花粉症の者にとっては全く有難くない気象庁の長期予報であったが、三月に入り気候が安定して来るとまさにその影響がもろに出始めた。

巷にはゴーグルに紙マスクの姿をちらほら見かけるが、重症者にとっては決して大袈裟な姿ではないのだ。 春の花粉症は杉・桧の花粉を吸入する為に起きる鼻炎・くしゃみ・喘息・結膜炎などを伴なうアレルギー性炎症で、これといって効果のある治療法がないのが現状。

千葉県林業試験場で杉花粉が殆ど出ない新種の杉が開発されたらしいが、その杉が日本全域に植林されて広がるのには二、三十年先というから気の長い話である。 最近では日本気象協会が生活気象情報の一つとして、杉花粉の飛散度を四段階に分けてテレビやラジオで流しているが、それだけ花粉症に悩む人が年々増えていることを裏付けている。

花粉症は、かかった人間でしか判らない辛さがある。 大の大人が涙目をしょぼつかせながら、鼻をグジュグジュいわせ、突拍子もない時にくしゃみを連発したり、見られたザマではない。 花粉症でない者にとっては目障り耳障りこの上もなく、染されるのではないかと嫌悪されこそすれ、同情はしてくれない。 当然、同病相哀れむで仲間意識が芽生えるのは自然の成行である。 

訪問先の企業で同じ悩みを持つ総務担当者とも毎年のことなので意気投合し、「今日は外はどぅお?」 「飛んでますね! 目があけられない位」 「私もさっきから鼻水タラタラでティッシュが離せないんですよ」 が挨拶代りの会話。

「傑作なんですよ。 聞いて下さい。 口うるさい総務部長がね。 俺は大分の山ん中で、ガキの頃から杉の花粉を空気代りに吸って育ったんだ。 花粉症などにはなりっこねえよと、私の花粉症状をハタ迷惑顔で睨みつけていた部長が、今年から花粉症なんですよ!ところが今もって風邪だ風邪だと言って、それを認めようとしないんだから。 頑固ですよ!」

花粉症は視覚・嗅覚・口腔を冒し集中力に欠けるので、三月決算企業の花粉症の総務担当者・経理担当者にとっては苦渋の毎日となるのではなかろうか。
大学受験に失敗した高校生が、俺の人生を狂わしたのは花粉症だと息巻いているとか聞くが、さもありなん!