北京大学名誉顧問 正木会長
路遥知馬力 日久見人心

路の長さは馬の力を知り、日の長さは人の心を知る

第11回図書寄贈で紺碧秋天の下 北京大学へ


 「路遥知馬力 日久見人心」
 これは正木会長の第11回図書寄贈贈呈式に当り、北京大学、陳学長が謝辞の中で引用した中国の古い諺である。
 その意味は「道の長さは馬の力を知り、日の長さは人の心を知る」、つまり11年の長きに亘って変わることなく図書寄贈を続けて来た正木会長の人柄を高く評価し、称えた言葉である。
 陳学長は副学長時代から、第一回目の図書寄贈に携わり、正木会長とは訪日の折りに食事を共にしながら歓談しあう仲である。
 陳学長は昨年9月、6人の副学長の中から推挙され、中国を代表する北京大学の学長に就任、また、本年9月の第15回中国共産党全国代表大会で、中国共産党中央候補委員(日本流に言えば知事)に選出され、名実共に名士として今後の活躍が期待されているのである。
 昨年10月の贈呈式では陳学長が出張中で会うことが出来ず、学長就任のお祝いが述べられなかった正木会長は、今年はお互いのスケジュールを調整しあって贈呈式に臨んだのである。



 二年振りに再会した陳学長は、学長に就任したとはいえ、十年前の飾らず気さくな副学長時代と何ら変わることなく、穏やかな笑顔を浮かべて正木会長のところに駆け寄り、互いに手を取り合ってしばし歓談の中、北京大学図書館貴賓室で贈呈式は始められた。
 人工頭脳学の権威、遅恵生常任副学長、林被甸図書館長、北京大学対外交流協会 彭家声副会長、国家教育委員会 史光和氏、高倬賢副館長、館長室 徐女史に先生や学生、図書館の職員達、それに今回同行した朝田常務、政田幹事、会田、熊本が出席した。

 今回は特別に陳学長から正木会長へ錦旗が贈られたが、「10年に亘り学生達に贈られた書籍は、日中の堅い絆となる」と、北京一の職人が刺繍したと言う見事なものであった。
 会長は挨拶の中で「日本では十年一昔とよく言われておりますが、11年目を迎え、また新しい第一歩が始まったのだと自分に言いきかせ、ささやかではありますが、今後も皆さんに喜んで頂けるよう頑張ってゆきたいと思っております。この贈書のきっかけとなった私の父も今年88歳を迎え、広島で元気に暮らしております。五月には家族や親戚が集まり、皆で米寿のお祝いをしました。戴いたこの錦旗を父も大変喜んでくれると思います。…」

 贈呈式後、来年十月完成を目指して建設が進んでいる新図書館の工事現場へ案内された。
 昨年の十月はまだ基礎工事の段階であったが、今は外観も立ち上がり、60%の出来上がりだと聞く。
 林図書館長の説明では、この図書館が完成すると、大学の図書館ではアジア一の規模になるという。
 来年5月4日の北京大学創立100周年記念式典をこの図書館の講堂で開催する予定なので、目下突貫工事中とのこと。「正木顧問には来年、創立100周年と図書館落成の二回訪中して頂くことになりますね。10月は完成した新図書館で贈呈式をすることになるでしょう。今から楽しみにしております」、と。

 昼食は遅常任副学長の招待で、中国のしゃぶしゃぶをご馳走になった。
 北京大学近くの「東来順」は老舗で、食する肉も牛肉ではなくマトン、生で食えるほど新鮮で柔らかく、日本では食べれない大変美味なしゃぶしゃぶであった。
 食事がはずむ中、遅副学長から「昨年、正木先生の好意に甘えて、個人的にプレゼントして戴いた数少ない人工頭脳に関する書籍は、私にとって非常に貴重で大変研究に役立っております。早く本を書いて、正木龍樹著として出版しなければいけないのですが…」と冗談を交えながら感謝の気持ちを表わしていた。

 その夜九時、林図書館長と徐女史が、「正木先生のお父さんに米寿のお祝いを」とホテルを訪ねて来た。
 鶴と松、牡丹の花を絹布に五色の糸で両面刺繍した素晴しい中国流米寿の贈り物で、正木会長もこの思いがけない来訪にいたく感激していた。





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