記  者  倶  楽  部


平成16年7月6日


 北朝鮮による拉政被害者、曽我ひとみさんの笑顔を久々に見ることができた。

1年 9ヵ月ぶりにジェンキンスさんら一家4人が再会できることになったからだ。

小泉政権のスポークスマン、細田官房長官は「人道(的立場)」を強調した。

しかし、曽我さん一家には申し訳ないが、これを額面通り受け取っていいのだろうか。  「月内には」といわれていた再会を何故、こうも急いでやらなければならなかったのか。

ジェンキンスさんの訴追問題もまだ調整段階にすら入っていないにもかかわらず、政府は「日本永住策を模索」などと“空手形”まで切る始末。

小泉の選挙利用に他ならない。  いま、選挙戦で自民党は大苦戦。

へたすると民主党に大負けし、安倍幹事長、青木参院幹事長の更迭だけでなく、「小泉退陣」すら囁かれている。

当の小泉は、勝負ラインを引き下げたり、「総理の進退は参院でなく、衆院における力関係により決まる」などと口からデマカセ、得意のご都合主義で何としても参院選をクリアしようと躍起になっている。

苦戦・小泉の起死回生策が9日の一家再会なのだ。  それも投票の二日前だ。

小泉は、投票前日、東京、大阪など重点選挙区に入ることを予定している。  彼のことだから「人道的」 「私でなければできなかった」とがなり立てることだろう。  この男に「人道」という言葉は使ってほしくはない。

彼は長期政権を維持できるなら、何でも利用してしまう男だ。  お庭番の飯島勲秘書官も含めた一族郎党揃って血税の甘い汁をできるだけ長く吸うことができるのならウソも平気でつく男だ。

先の再訪朝で小泉はいったい何を約束したのか。

コメ、医薬品を営利誘拐犯、金正日にぶんどられた上に、200人とも300人とも言われ ている拉致被害者の問題をごまかされてしまった。

小泉が盟友・金正日と約束したのは、拉致問題の政治利用だけだ。

姑息な小泉のことだから、曽我さん一家の帰国がむずかしくなった段階で、これを選挙利用しようと考えたに違いない。

その見返りは大きいはずだ。  この上、何をむしりとられるのか。

コメ支援の上乗せ、盗人に追い銭…。  一族が食うために日本国民の血税をドブに捨てるようなことを平気でやってしまうのか。

大マスコミの責任も重大だ。

今回、7月6日の朝刊には「9日、ジャ力ルタ、再会」の大見出しだけが躍っている。  何故、一面に「小泉の政治利用」を書かないのか。

「金正日にこの上、何を取られるのか。 今度は現ナマか」と書かないのか。

曽我さん一家の苦渋は計り知れないものがある。  いつまでも、この家族が引き裂かれたまま放置されることがあってはならない。

そして、そのウラにはまだその生死すらわかっていない拉致被害者が何百といることを忘れることがあってはいけない。

同時に、売国奴、小泉が、そして、小泉の“友人”、金正日がほくそ笑んでいることも…。  忘れることがあってはいけない。