(平成17年12月16日)
投稿者:
橋本 昌雅
http://link-21.com/masahiro 06年度の与党税制改正大綱で、所得税・個人住民税の定率減税は、既定方針の06年での半減に続き07年には全廃。 たばこや第3のビールの税率も上げ、全体では国・地方合わせて2兆円規模の増税となるという。 マスコミは一斉に、増税を強調し、生活不安と景気に対する懸念を書き立てているが、定率減税は逆累進課税であり、たばこや 「第3のビール」 の税は物品税であるという指摘をするものは誰もいない。 (1) 定率減税は逆累課税でしょ 定率減税は、1999年に故小渕内閣が景気対策として打ち出したと言われているが、結果的に、何の効果も得られず、国の財政赤字に火をつけただけであった。 そもそも、定率減税は、小渕内閣時代に、給与の官民格差の批判で初めて国家公務員の給与の引き下げをしたが、国家公務員の名目給与総額を減らすかわりに、実質の給与総額を増やすために導入された減税政策である。 定率減税自体は、逆累進課税であり、その恩恵の対象となったのは、650万円から900万円の給与所得層であり、この対象は、公務員と一部の大企業の社員だけである。 つまり、公務員の実施賃金を維持するための政策だったのであり、消費動向に反映しないのは当然だったのである。 欧米のレイオフよりも過酷な人材派遣制度で、正社員と非正社員と階層化した日本社会で、定率減税の恩恵を受ける正社員 (公務員) は少数だ。 非正社員の階層としては累進課税を求めるのに異論はないだろうから、逆累進課税の定率減税の廃止に反対する理由はないはずだ。 そのような定率減税を公務員らが守りたいのはわかるが、国民は、正社員と非正社員、もしくは、自分の年収を見て、定率減税に反対か賛成かを見極めるべきであり、無責任なマスコミの煽動に振り回されてはならない。 (2) たばこや第3のビールに対する税は物品税 1989年、いわゆる贅沢品に対して個別に課税する物品税等を廃止し消費税が導入された。 しかし、嗜好品である煙草や酒・ビールなどは、従来の煙草税や酒税に上乗せして消費税をかけることに誰も異を問わなかったが、煙草税や酒税は物品税そのものではないのか。 また、基本的な事であるが、戦後導入された物品税は、累進課税的なものであるが、消費税は逆累進課税の分類に入るものである。 日本の税体系の実権を握る自民党税制調査会は、この違いを理解せずに、煙草や酒、そしてガソリンなど、物品税と消費税を同時に課税した。 税体系の議論は、所得の再配分が第一義にあり、その下で、資源の配分や公共サービスや景気の調整という役割を議論するが、自民党の税制調査会は、この税の基本を理解しないで、税議論の経緯を熟知していることを税の専門科などと嘯いていている。 つまり、インナーと呼ばれる爺連中は、税の素人の集まりで、はっきりいうと馬鹿の集まりでしかない。 国策としての税政策は、配累進課税重視か逆累進課税重視かという選択肢があり、その上で直接税と間接税の議論になるのである。 後者の間接税においては、物品税は累進課税的となり、消費税は逆累進課税的なものと捉えるべきである。 たばこや第3のビールに対する税の批判をする前に、煙草税や酒税は物品税であり、累進課税的なものであるという基本的なことを理解した上で、煙草や酒・ビールが贅沢品であるかどうかという議論をするべきであろう。
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